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Ringrazià

油彩・キャンバス

100×80.3cm | 31 1/2 × 39 1/4in

 

地中海西部、イタリア半島の西に位置するフランス領コルシカ島。ナポレオン・ボナパルトの故郷としても知られるコルシカ島は地中海で4番目に大きな島で、フランス領でありながらイタリア半島にとても近い場所にあり、毎年多くの旅客で賑わいを見せる美しい島です。

 

本作のモチーフとなったコルシカ島バスティアの港は、年間2千万人以上の旅客が利用する、フランスにおける地中海最大の海港です。

 

コルシカ島に人が住むようになったのは、紀元前6千年頃からで、この豊かな自然の中で、古の民はヤギや羊などの牧畜を営み生活していたそうです。

 

そんなコルシカ島は、紀元前からおよそ千年もの間、ローマ帝国に支配されていました。

 

12世紀には、進出してきた都市国家ジェノバの圧政に苦しみましたが、1755年に独立戦争に勝利して国家を樹立し、1768年にフランス領になったという歴史が残ります。

 

長らくジェノバ共和国の支配下にあった事もあり、コルシカ島はフランス領でありながら、どこかイタリアの古都を彷彿とさせるような中世の街並みが今に残り、その歴史ある景観と風情から、フランスの“芸術と歴史の町”にも選出されています。

 

2016年6月、コルシカ島バスティアで開催された国際展覧会に出席するため私はこの都市を訪れました。の国際画家としてのキャリアのスタートはこの地でした。

 

私が初めて訪れた異国の地、コルシカ島バスティアで見た黄昏時の空があまりにも美しく、この日の感動を作品に描き残したいという想いから着手した作品です。

 

コルシカ島は18世紀のフランス併合後、島の公用語であったコルシカ語や様々な特有の文化が禁止され、一時は消失の危機にさらされたそうです。しかし、近年、コルシカの文化を見直す動きが高まりまして、学校の授業でも再びコルシカ語が公用語として教えられるようになりました。

 

作品タイトル[Ringrazià]は、コルシカ語で[ありがとう]という意味です。

 

この作品は、私をやさしく向かい入れてくれたコルシカ島の歴史と文化に対する敬意、島の人々に対する感謝の気持ちを込めています。

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